「やっぱりお似合いだよねあの二人」
「でも付き合ってはないんでしょう?不思議」
「付き合ってるの隠してるだけなんじゃないかなあ?ねえねえ三河さん。本当のところはどうなの?」
「……さあ。私も知らない」


お互い両想いだけど、長年の友情が邪魔して言い出せないだけじゃないかと私は推測しているが、それをわざわざ口にする必要はないだろう。


幼馴染でお互いのことを想い合う二人は周りから見ればまさに理想のカップル。


――そうなんだよね。いよいよ流れ牢になった涙を寸のところで堪えて、カバンに雑誌をしまう。



「空、凛。私先に音楽室行ってるから。また後でね」
「うん!また後でね零ちゃん」
「おう」


――二人は私の大切な「親友」だから。目を優しく細めて笑い合う二人に背を向けて、この関係が崩さないよう疼きだした胸の想いをぐっと押し殺した。

 
















大切なものを守るため
(これでいいんだ)