「黎愛、黎。隣の国に行っておいで。」 「お母さま?いきなり何を言うのです。」 黎の祖父が黎と黎愛に言う。 父が反対する。 隣の国は緑の国。 「あそこがどんな国かお分かりでっ?」 「ああ、もちろん。だからこそだ。」 孫娘はいらぬ、なぜ男ではなかったのか…。 とでも言いたそうな祖父の目。 黎愛は隣の国が何をしているのか 知っていた。 いくら私たちが女だからって…。 黎愛は拳を握った。 黎は何も知らない。 箱入り娘だ。