「姉が、いた?」
黎はその言葉に引っかかった、
次は同じ年の子が言った。
「ええ、今はどうかしら。」
なんとまあ曖昧な返事だろう。
黎は今はってことは生きているかもしれない。
そう思った。
「そうだ、まだ黎の姉はこの世にいる。
私たちにはもう見つかっているよ。」
見つかっている、そして姉がいたという
過去の話…。
今も生きている…?
黎は必死に考えた。
殺人、吸血鬼、いなくなった姉、母、父。
「春陽…。」
春陽は楓莉、楓のファーストネーム。
王族の名。
春陽では1000年も以上の昔から
どこの国よりも魔法にたけていた。
表面では治癒魔法や人々のためになる魔法を使うの国で
慕われていた国だ。
だがそれは違った。
裏では黒魔法と言い
ヒトを操る魔法、瞬間移動魔法での殺人。
さらには人を化け物にする魔法を研究されていた。
