「黎、聞いてほしいの。」
今度は黎と同じくらいの年の子だろうか。
聞いたこともない声、だけど泣きそうになる。
黎は不思議な感覚だった。
「貴方は誰なの?」
その子は一息ついてから黎に言った。
「それはそのうち分かるわ。
私たちほんとにそっくりね。」
「そうね、瑠唯君もよくやってくれてる。」
「黎にはまだ言ってないことがある。
しっかり聞いておきなさい。」
父の声に黎は必死に耳を傾けた。
「黎と瑠唯は双子と言っていた。」
「双子よ?顔だって全く同じ。」
「そうだな、だが瑠唯は黎の双子の弟ではない。
黎には双子の姉がいたんだよ。」
この展開についていけない黎がいた。
黎は今まで弟だった、双子だった瑠唯とは
赤の他人だったといわれたからだ。
