「まだわからない?」 ダンっと机をたたいて瑠唯がつぶやく。 「うっせ、分かるわけないだろ。」 黎はため息をついた。 何処まで馬鹿なのだろうと思った。 「耳鳴り、多少はそれで楓莉の居場所が分かると思うわ。」 「そうか、耳鳴り…。 近くなったら耳鳴りがするんだな。」 「ぶぁーか、お前ら。 そんなんじゃ、見つかんねぇだろ。 ここをつかえば?」 さっきの例の言葉をそのまま返す瑠唯。 瑠唯は舌を出して黎にブーイング。 「じゃあ、どうするっての?」 「これだよ。」 瑠唯は懐から小瓶を取り出した。