静かな寝息を立てて寝ている黎の横では




お伽噺の王子様が眉をㇵの字にゆがませて笑っている。





その横ではしかめっ面をした



美少年が頬杖をついて黎を見ている。





「…楓莉…。」




さっきから何回呟いたかわからない。



楓からはだんだん笑いが消えていく。




瑠唯はㇷぅと息を吐いて美しい顔を



歪ませてその顔からは想像できない



ような言葉を吐いた。





「お前が、楓莉…楓莉…。ってうっせぇんだよ。



辛気くせぇ顔してんだよ。鬱陶しいなぁ。」






「ああ、ごめん。そんなに鬱陶しかったかな?」




「…なんだよ、調子狂うな。


やりづれえんだよ、阿保。」