「黎っ。ここに楓莉が来なかった? 部屋にもいないんだ…。」 「来てないけど…。」 「知るか…。ほら、帰れ帰れ。」 よほど焦っていたのか楓はノックもなしにドアを開けた。 楓の髪が額にくっついていた。 顔も少し青く切羽詰まっているようだった。 さすがの瑠唯も気づいたらしく、 珍しく楓の肩をつかんだ。