楓は髪をかきあげ眉を動かした。 「ちょっと頭冷やしてくるから…。」 「…。」 青いかおで少し震えた楓莉を後ろに 楓は廊下に出て行った。 「っ…。ふっ…う…。」 楓莉の頬を透明な滴が濡らした。 楓莉は小さな肩をかすかにふるわせ 声を押し殺して泣いていた。 楓莉のキャラメル色の髪がかすかに だんだんと暗くなっていくようだった。