「私、消えるのかしら…。」 「消えないよ、消させやしない…。」 瑠唯のつぶやいた声は小さくも強い声だった。 「そう…。」 黎の言葉はやっぱり消えそうで瑠唯は ずっとそばにいたいと思ってしまう。 「定に会いに行くよ…。黎はここにいな。」 黎の髪をいじりながら言う。 本当は離れたくないという気持ちを胸に抱いて。 「いやよ、定のところにはみんなで行きましょう。」 黎は先ほどの声とは違って 強く、響く声で言った。 その声には一つの迷いもなかった。 まっすぐに瑠唯の瞳を捉え離さなかった。