問題は黎なのだ。 息も浅く頬も冷たくなってきている。 瑠唯はどうしようもなくただ茫然としていた。 瑠唯の頭の中は真っ白で何も考えれなかった。 1つだけ頭に響いていた声がある。 「定…。」 定の声が頭に響いていたのだ。 鈴の音みたいな消えそうな声だが しっかりと鮮明に繰り返されている。