血の香り…。
瑠唯の血の香りが黎の鼻をくすぐる。
そしてゆっくりと牙を肌に付ける。
ぷくっと血が瑠唯の白い肌からこぼれる。
「…。」
瑠唯はいつも無表情の顔を少しゆがめた。
黎はいつものお返しと思ってきつく吸ったからだ。
「ねえ、痛いんだけど…?」
黎は
吸うのをやめ、瑠唯を見らむ。
「…煩いわ。」
黎がまた首に顔を近づけようとしたとき
瑠唯がいきなり頭を支えた。
「ふっ…ん…。」
甘く溶けそうなキス…。
血とは違う感覚で黎は少し戸惑っていた。
「はな…しなさっ…。」
黎は瑠唯の胸をたたく。
長い長いキス…。
やっと離してくれた瑠唯の手をたたく。
