ドアのそばにいた側近を呼ぶ。
ドアが開いては行ってきたのは
小さい背丈に薄い茶色の毛を後ろで
三つ編みにしていて優しそうな顔つきの女の子。
「麗麻、着替えを…。」
「どうぞ、黎様。
今日は黒のドレスでよろしいですか?」
麗麻の持ってきた黒のレースのドレスに袖を
とおした。漆黒の髪は元のカールをさらに強く巻いた。
「黎様、そちら…どうなされたのですか?」
麗麻は黎の鎖骨のキスマークを見て不思議な顔をする。
「キスマークよ。」
「え…。」
麗麻は少し顔を赤くしてうつむいてしまった。
彼女は男というものに免疫がない。
触れられれば赤くなるし、
話すと緊張でかんじゃうのだ…。
「はひ…、黎様が…。し、失礼しましたあ~。」
速足で部屋から出てしまった。
