「違うのっ!アルフ…聞い…」
ふうって、アルフにため息つかれた…最悪…。
「イリア、理由無くケンカするのはどうかと思う。なるべく、蹴ったりするのは控えめにな。」
アルフはそう呆れ気味に言って、あたしの頭をよしよしとなでた。
何もなかったら嬉しいけど…今のあたしにとって、なでなでは…
「ふえっ…アルフ~…。」
「な、何泣いてんだよ、おまえ。」
あんたのせいだっ!!
心の声をぐっと抑えた。
「イリア…?」
アルフが不思議そうな顔で見つめてる。
「あたし…あたし…ただ…」
ダメだ…泣けてきたよぉ…。
「これ…渡したかっただけ…!!」
もう限界…
ダッ!
「イリア…!」
「おい、ストーカー娘!俺が悪かっ…」
アルフとあいつの声、遠くなっちゃった…。
あたしは一度も振り返らず、家に帰った。
すぐに思いきり泣いた。
「ふえっ…リアゼの大バカ!!アルフに…嫌われたかも…」


