「見事だよ…兄さん…。」
「カナル…結局助けられなかったな…」
勝者はアルフだった。
負けたカナルの体は、透けて消え始めていた。
アルフは、力を振り絞ってカナルの元へ駆け寄った。
「できれば…おまえを救い…たかった…。」
アルフの頬に冷たい水が流れる。
それは、地面に当たり、ポタッと小さな音を立てる。
ピチャ…ピチャ…
それを隠してくれるかのように、空から滴が落ち始める。
「ううん、アルフ…俺は救われたんだぜ。これでもう…誰も傷つけなくていい。死神としての…道を間違えることもないんだからなっ!」
カナルは微笑みながら、親指をぐっと立てる。


