「わからねえけれど…アルフは、天界での“あいつ”を倒した奴だから、狙われてもおかしくはないってわけだ。」
「ふむぅ…」
「だから、爺さん。孫を救うと思って、手伝っ…」
「すぅ…」
「言ってるそばからかよ…。」
シークはため息混じりに言って、眠りこけた爺さんを残し、庵から仕事場へと移動した。
「ちっ…あの女のせいで兄貴とゆっくり話せねえ…」
カーン!
リアゼは落ちていた空き缶を、忌々しげに蹴っ飛ばした。
十三番街。
彼の今回の仕事場は、建設工事があっていた。
(20階建てビル建設予定、か。無駄に金使いたがる生き物だぜ…人間は。)
ガガーと凄まじい音を立てながら、ブルドーザーやクレーンが動いていた。
(さっさと仕事終わらして、兄貴を探し…)
ザシャ!
ズバッ!
鋭い斬音。


