二度と見れない景色達だ…。
アルフは、しっかりと景色を目に焼き付け、決心したかのように空を見上げる。
そして、
「時は過ぎ去り…絆は脆く崩れる…」
歌い始めた。
自らに贈るレクイエムを………。
決してルティーナのように上手くはないけれど、心のこもった悲しい歌声…。
走馬灯のように、死神として過ごした日々が思い起こされる…。
(イリア…)
『あたしもアルフと結婚したいなあ…。』
(リアゼ…)
『兄貴、戦争って…何のためにやるんすか…?』
(シーク…)
『あんたも可哀想な奴だよな、アルフ。』
(エマ…)
『…筋違いもいいところだね。』
(カナル…)
『鎌を預ける意味…わかってるよな?』
(メルディ…)
『今でもあなたを愛してるわ…。』
(千爺…)
『良いか、アルフ。己が信ずる道を進むのじゃぞ?それがどんなに辛い道であっても…』
歌声が消えた時…、アルフの姿はもうそこには無かった。
たった一枚…。
鳥の羽根とは到底思えないような、黒く大きな羽根が落ちていただけだった。
そしてその羽根の近くに…少年が一人、倒れているだけだった………。


