「私が助けられる命は、あんたで最後だな…。」
アルフは目の前の少年に向かって、しみじみと言った。
「えっ…?」
少年は不思議そうに首を傾げた。
見た目から判断するに、年齢は八歳ぐらいだろうか。
赤みがかかった茶色い髪は、無造作にはねている。
「誰…?どういう意味?」
「…私は死神アルフ。人を助け、人に助けられ、生きてきた死神だよ…。」
「死神?」
「そう…死神だ。」
トンッ…
「あっ………」
ドサッ!
アルフに額を押されると、催眠術にかかったかのように少年の体は地面に倒れた。
「この鎌とも、長い付き合いになったな…。ありがとう…と言いたいものだ。」
アルフはぽつりと呟き、愛用の鎌をしばし見つめた。
夏の太陽に照らされ、鎌の刃がぎらりと光る。
人がほとんど通らない田舎道。
風に揺れるひまわり畑。
穏やかな日差し。
空をゆるりと流れる白い雲。


