「また一つ…存在が消える…」
どれくらい時間が経っただろうか。
誰かの美しい歌声で、アルフは目を覚ました。
「………っ…」
辺りがぼやけて見える。
意識もまだ完全には回復してないようだ。
おまけに、黒い縄のような物で全身を縛られているため、身動きができない。
それでも、彼は歌声の主を確認しようと目をこらす。
聞き覚えのある優しい歌声…。
この声は…?
「メルディ…?」
ピタ…
歌声が止まった。
アルフに話しかけられた女性は、ゆっくりと振り返る。
瞳にうっすら涙を浮かべ、訴えかけるような表情だった。


