「ああ、実に悲しく虚しいことだ。」
ゴウウウ…
トンッ…
大鎌を肩に立てかけるアルフ。
………。
いつの間にか、辺り一帯シーンとしていた。
アルフとリアゼ以外でその区域にいる者は、皆倒れシュウウ…という音を出しながら、粒子になっていったのだ。
「あ!兄貴、関係ない話なんすけど、一つ聞いていいっすか?」
リアゼが思い立ったように、唐突に言った。
「聞きたいこと?」
「はいっす。兄貴…人間だった頃、夢ってありました?」
「夢、か…。」
アルフは、遠い過去を思い出そうと、しばしの瞑想に入る。
もちろん、いつ襲われるかわからないので、耳を研ぎ澄まし気は緩めず。
「因みに俺は………獣医になりたかったっす。似合わないかもしれないっすけど。」
てへへと、照れ臭そうに笑いながら頬を染めるリアゼ。
アルフは、瞑想を止めリアゼの方を向く。


