「なっ…!?」
「…というわけだから、悪いが勝たせてもらうな。」
シュッ…
イタズラが成功した時の子供のような笑みを浮かべ、シークは悪魔の前に瞬間移動した。
「ちっ…!」
悪魔は舌打ちし、体をのけぞらせる。
「言い忘れたが…」
チャキ…
鎌をかまえるシーク。
「俺の攻撃は、後からくるぜ?」
「くっ…ぐわあああ!!」
シャシャシャ!
ズシャ!!
全身に深い切り傷を負い、崩れ落ち動かなくなる悪魔。
出血は、雲を赤く染める。
「ど…いう…と…だ………?」
「さあねえ?種明かししないのが、マジシャンのルールだからな。はっはっは…。」
シュウウ…
シークの空笑い声を聞きながら、悪魔は無の世界へと誘われ…やがて、その存在を消した。
「ふう…。やられるフリも楽じゃないってやつだな。」
「さすが、名売れの元マジシャン。見事だよ。」
バサッ…バサッ…。
そう言いながら、シークの隣に降り立ったのは、エマだった。


