「…レクイエムが下界で歌われたのだよ。」
「えっ…それってもしかして…」
「そういうことさ。ついに…始まるのだよ。」
「な、何が始まるんすか…?」
リアゼだけが状況を飲み込めていないようで、不思議そうな顔をしていた。
イリアが意外そうに顔をしかめる。
「あんた、知らないの?“天界マニュアル”五十ページぐらいに書いてたのに…。レクイエムが下界で歌われた時は…」
「天界戦争が始まる。」
「シーク…」
話に乱入してきたのは、眉間に深いシワを寄せたシークだった。
「天界戦争…?」
リアゼが繰り返す。
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