すると。


フラッ…

トサッ…

魔法にかけられたかのように、少年の体は簡単に地面に落ちた。



「これでよし…かな。あとは…」


青年は、灰色の雲に覆われた空を見上げる。


ゴロゴロ…

遠くから雷の轟きが聞こえてくる。



「ふっ…まだまだ助け足りないけど、これも僕の運命だろうね。それに…」


今度は微笑み、少年を見下ろす。



「最後に君を助けられたから、良しとしようかな、アルフレッド・フィアラ君。」


青年は、少年の髪を優しく数回なでた後、真剣な表情で遠くを見つめる。


そして…



「さあ…人の命を管理する神達よ。少年の寿命を伸ばした我に罰を与え、少年をこれからも生かし続けよ!」


誰にともなく叫んだ。



と、次の瞬間!


ガーン!!

凄まじい轟音と共に、青年に稲妻が落ちた。


本当に一瞬のことだった。

気付けば、フードコートの青年は跡形も無く消えており…あとには、青年が付けていたと思われる、シルバーのドクロのリングが残っていた…。