「僕が助け出せる子供は、君が最後になりそうだよ…。」


多くの人々が眠るバーネッティ市の墓場。


黒いフードコートをかぶり、大鎌を持った青年はかすれたような小声で言った。

まだ20代前半といった若さだろうか。

茶色い髪が青年の鼻までを覆い隠している。



「どういう意味?」


言葉を返した少年は、緑に近い青色の髪にオレンジ色の瞳。

まだ小学生にも上がらない歳に見える。


目を大きく開き、まばたきを何度もしながら青年を見つめている。



「…いや、他愛もない独り言だよ。ただ…ちょっと吐き出したくなってね。」


「………?」


「幼い君が知るには、まだ早すぎる。君は何も気にせず、今まで通り生きていきなさい。」


「あっ…」


フードコートの青年は、少年の額を人差し指でトンと押す。