死神のお仕事




「…仕方ないんだよっ!寿命なんだもん…。あたし達は、ただ迎えに行くだけ…。」


問いかけに対し、弱気に答えるイリア。



「まあ、嫌ならならなければいいことだしね。そんなことは置いといて…」


「そんなこと、じゃな…」


「黙って、聞いてなさいっ!」


激しく叱りつけられ、今度はレリックが目をぱちくりさせる。

イリアは、レリックに人差し指をビシッと突きつけた。



「あんた、死神になりたいんでしょ?だったら、このくらいでへこんでたらやってけないよっ!だから、まだ研修しなさいっ!」


「僕は…」


「問答無用!!次は、リアゼと一緒に行きなさいっ!わかったなら、行くよ!」


パシッ!



「あ…離してよ!!」


イリアは、じたばたと暴れるレリックの腕をしっかりつかむ。



バッ!

翼を広げ…



「脈がない…」


首を横に振った大学生や、泣き叫ぶ子供達、ざわめく野次馬達を尻目に…バサッ…バサッ…と天界を目指して、はためく。



「離してったらー!」


レリックの金切り声が、風に流されていった…。