「あ…あの…アルフさんに頼まれたって…あなたが僕を死神にしてくれるの?」
「ん~…まあそういうことかなっ。」
「本当!?」
「ただし…」
イリアは言葉を一旦切る。
左手人差し指を前に突き出し、真剣な表情。
「ここからが大事なことだよ!死神になるには、本当は閻魔様に選ばれた人間しかなれないのっ!あんたは選ばれてない…だから、研修しなきゃだめなんだよ!」
「研修…?」
レリックは、きょとんとして目をパチパチさせる。
「そだよっ。け・ん・しゅ・う。」
イリアは、軽快に言葉を繰り返す。
「い~い?あたしが今からお仕事入ってるから、着いて来ること!」
「すぐには、死神になれないの?」
「無理無理!だって、レリックって言ったっけ~?あんた、十歳でしょ?」
「うん、十歳だけど…?」
「十二歳以下の子が死神になる時は、何回か研修が必要なんだよっ!ベテランの死神さんに着いていって、現場を学ばなきゃ!」
イリアは、ベテランという響きが気に入ったようで、ご満悦。


