「………ここは?」
レリックは、目だけで周りを見回す。
意識も視界もぼんやりとしている。
かろうじてわかることは、白い柔らかい物体の上で寝ているということ。
「天国、かな…?」
ゆっくり起き上がり、呟く。
「惜しい!正しくは、“天界”だよ~。」
「わっ!?」
ザッ!
頭上から不意に聞こえた声に、驚き仰け反るレリック。
「驚かしちゃったみたいだね~。あたしは、イリア!アルフにあんたのお世話頼まれたの~。」
スタッ。
声の主、イリアはレリックの正面に降り立つ。
レリックは、興味津々でイリアを見つめる。
「な~に?イーリアちゃんに惚れちゃった?でも、イーリアちゃんには、アルフがいるから、気持ちには応えられないよっ!」
イリアは満面の笑顔でおどけた。


