「そんなふうに私を見てたんだ…」


「彩華!ごめん!僕がちゃんと誤解解くから
僕が無理に頼んだんだって言って!」


沖田が、彩華の肩に手を置こうとした


「触らないで」


手で涙を拭くと


「誤解するほど信頼がないのよ
沖田様が、気にすることはありません
失礼します」


彩華は、小走りに屯所を出た



置屋に戻ると、女将に頭を下げた




「辞めさせて貰います」




「売れっ子太夫に辞められるのは、困る
体調戻るまで、実家で休んでおいで」




蔵に閉じ込められている間

体調不良だと思われていた





荷物をまとめ、置屋を出ると


永井家へ帰った





赤く目を腫らした彩華に


何かあったと悟った夫婦が



心配する





その日の夕餉



「うっ」




急に吐き気に襲われた


彩華は、厠で吐いた



「桃香?貴方、懐妊してるんじゃないの?」



「え?」