「一!平助!私!」



登った木の枝に、名前を3つ刻んだ




「彩華… 字が書けたんだ?」


「名前だけ… エヘヘッ」


「もっとたくさん字を習えよ」


「だって…」





彩華は、2人と遊びたくて

字習いをサボっている


2人は、それを知らない




「字が書けたら、文のやり取りが出来る」


「そうだよ?たとえ離れ離れになっても
文で繋がるんだ」


「私… 一と平助から離れないもん!」



「俺も!一と彩華とずっと一緒にいる!」



「うむ ずっと一緒にいような!!」




この日は


青い空が、赤くなり


辺りが薄暗くなるまで


語り合った