事件のあった翌日


浪士組の宴で事件が起きた



芹沢が千代松の髪をバサリと切り落とした



「いやあぁーーー!!!!!」



泣き崩れる千代松を冷ややかに見下ろす



突然の、芹沢の行動


浪士組は、凍り付いた




丁度、彩華が明里と部屋に来て

ことの重大さに気づく






「芹沢はん!! なんてこと…」





芹沢に詰め寄ると芹沢は、
ぐいっと強引に、口づけをした




その場面を目撃した下男が



「番頭はん呼んできます!!」



部屋を出ようとした




「呼ばんでええ!!!」



彩華が声を荒げた



そして、芹沢の胸ぐらを掴み


バシーーーン!!!



ひっぱたいた





「ひっ ひぃ~」


千代松は、部屋から逃げるように出た





彩華は、ニコリと笑い


「おあいこやな」




廻りの者には、口づけと平手打ち


彩華は、芹沢が自分の為に
敵討ちしてくれたことをわかっていた



「女に打たれたのは初めてだ」


「うちかて、口づけ初めてどす!」


「そりゃあ 得した」


「ふふっ うちも浪士組の局長はんを
殴れる女として、一目置かれます!」




気まずい雰囲気の中、宴が始まる



〝芹沢さん ごめんね
私の為に、立場が悪くなったら
どうしよう…〟



〝気にするな、元々好かれておらん〟



〝もう、大丈夫だから〟





芹沢に笑って見せたが


この日、浪士組の誰とも

目を合わせることがなかった



芹沢は、彩華が無理をしていることくらい

見通していたが、彩華を元気づける方法が

わからなかった