【一】





彩華と別々に乗った船内で



「近藤さんと土方さんが話してるのを
小耳にはさんだんだが…」



永倉君と原田君の会話を
立ち聞きしてしまった






横浜で再会した時

彩華は、疲れ果てていた






だから、問うことも出来なかった




〝会津公と婚礼の話があるのか?〟





聞いたところで、どうなる?





彩華は、医務方として看病に明け暮れた

疲労とともに脇腹の痛みが増しているのか

蹲ることが増えた




「晴太!!痛むのか!?」

「二郎… ちょっとだけ… へへっ」



人前で、彩華・一と呼び合えない




これからは洋装だ!と土方さんが
洋服を揃え


彩華みたいに髪を短くした


「な!!楽だろ!!」


なんて、得意気に言っていた






慌ただしく移動や戦で、会話が出来ない




そんな時





「永倉、原田が鎮撫隊を率いる」



土方さんが隊を分けると言い

2人が選ばれた