再び城内に伊東さんが現れた

そして火を放った



怪我人を外に出し

燃える城を見る


「会津公や慶喜公は…船に乗った」



私達を置いて!?

まぁ 状況が状況だもんね


「俺たちも船に乗るぞ」


土方さんの指示で

皆が船に乗る


怪我人とそうでない者に分かれた


「俺は、こっちに乗る」

「そうか…向こうでまた会おう」



一と話が出来ていない


鬼のような私を知り

嫌われたのかな…



海に出てすぐ

「笑いや?」

私にそう言って、山崎さんが亡くなった



山崎さんを水葬した

怪我人ばかりなのに

皆、お別れに出てきた



「おら!包帯替えるぞ!!」



必死に泣かないように働いて

無理にでも笑った



山崎さんの言うことは、本当だ



苦しい時、笑っていれば

少し紛れる


私が笑えば、皆も笑う





「もっと教えて欲しいことがあったのに…」




冷たい夜風にあたりながら呟いた






たくさんの仲間を失った

悲しみも、寂しさも、今はごちゃごちゃし
整理出来ない



船内に戻ると

近藤さんと土方さんの部屋に灯りが見えた



きっと…


2人は、私なんかより

ずっとずっと辛い



泣きたくても泣けない立場で

苦しんでいる






ジクジクと脇腹が痛む




まるで、2人の悲しみを感じているみたい