その夜の事







幹部が召集された


そこに彩華がいない



「監察方を総出で情報収集させている
恐らく…
悪い知らせがくるだろう」




次々に戻ってくる監察方


長州浪士らが、かなり京に入っていて

武具を揃え

まるで戦支度をしている



最後に戻ってきた彩華が


「江戸で、小競り合いがあったようです
薩摩藩の挑発に幕府側が
のってしまったみたいで
薩摩藩邸を焼き討ちしたのが
今、京での小競り合いの原因かと
恐らく… 相当な計画のもと
武具を大量に持ち込んでいるかと」



「そうか下がれ」



「副長」



彩華が土方さんを真っ直ぐに見て言った



「もう一度、薩摩藩邸に忍ばせて下さい」


「山崎の交代なら、必要ない」


「姿は見えなかったけど
伊東さんがいるような気がしたんです!」


「いたとしても、山崎が情報をとる」


「伊東さんですよ!?
何するかわからない!!」


「だからだ!伊東さんに会う度に
お前の様子がおかしくなってんだろ!
近づくなって言ってんだろうが!
伊東さんの術中にはまって、一人で
何抱えてんのかしらねぇけど!
取り返しがつかなくなる前に
俺の指示に従え!!!命令だ!!!
大人しく山崎の帰りを待て!!!」



「なんで?
なんで、いつも待ってないといけないの?
もう… 待つのはいやだ!!!」



永倉君がスッと彩華を止めるように

後ろから包むと首筋に針を刺す



クタリと永倉君の腕の中で

スヤスヤ眠る



「すげっ!良く効くなぁ!」


「朝まで効き目があるらしいから
よろしくな」


「おう」







幹部が解散し、土方さんと2人



「ただの面白い女から
気になる女に変わったのはいつだろうな
気がつけば、目で追っている
あいつの心は、複雑なようで、存外に単純
ただ、お前が好きなだけだ
お前は、彩華にどんな答えを出す?
ゆっくりなんて言ってらんねぇぞ
数日中に、荒れる
男なら、やるときゃやれ!」



「土方さんは、いいんですか?」



「喧嘩売ってんのか?
俺は!フラれたんだ!!!」





土方さんを… ふった!?