【一】







平助の葬儀で、泣かない彩華を見て

俺も泣いちゃいけないと、思った


理由なんてない


必死で、堪えた





〝思い出さなくていい〟




平助は、そう言っていたが…








1人欠けた




〝幼なじみ〟




という関係に、戸惑いを感じる






そんなことを感じるのは、もちろん



俺だけ







彩華にとっては、幼なじみは俺だけに



なっている









平助の事をすっかり忘れてしまったから…