伊東さんは、あっさりと証言を取り下げ

今後も仲良くしようなどと

言ってのけた



「晴太ありがとうよ」


「いいえ 当然のことです
左之の刀は、全て鞘が揃っているんだし
疑われることがおかしんです!」





無事に助け出せたのに


土方さんは、険しい表情のまま



「何か?」


「ん?ああ 図られた気がしてな」


「左之のことでしょ」


「いや お前のことだ
後ろ盾がどれほどか
確認したんじゃねぇかなぁ」


「確認されて、困りませんよ
蒼井を名乗る以上徳川家と親しいのは
知れたことです
妹の彩華が永井にお世話になってたら
兄が助けを求めてもおかしくないでしょう」


「伊東さんには、何も言ってねぇから
俺達が知ってるのかとか
そういうとこを確認したんだろ」


「それで?何が気になるんです?」


「伊東さんが次にどう出るか…
晴太 しばらくひとりで外出するな
彩華もダメだ」


「なんで!」



土方さんが顔をグッと近づけてきた



「わかりました!」



私は、戦えても自分の身をちゃんと
守れない



何度もこの口づけ回避訓練を受けても


相手が土方さんで

絶対に口づけしてこないと
わかっているからか


上手に逃げられないでいる




言いつけを破って


襲われるほど馬鹿じゃない