「藤堂さん」



警備から帰ると加納に声をかけられた



「お時間下さい」


1対1では、危険かと思ったけど


「いいよ」



加納の出方を探る為にも

誘いにのってみることにした



「女中をしていた彩華さんとは
どういうご関係ですか?」


「君に言わなくちゃいけない?」


「やっと… やっと見つけたんです!
新選組にいるときに気がついていたら…
俺は、ずっと探していたんです彼女を」



その必死な眼差しに

自分にはないものを感じた





「藤堂さんと良い仲だと、伊東さんから…
……どうなんです?」


「想い合っている
添い遂げるつもりだよ」


「……嘘だ
江戸に行ったと聞きましたよ」



!!!


「江戸に実家があるからだよ
今度、京に戻ったら一緒になろうってね」


「本当に?」




加納の目は、俺に触れなくても

心を見通すように

澄んでいた




「実は……  大っぴらに言えないけど
伊東さんについてこなければ
彩華に危害を加えると言われて
江戸に逃がしたんだ」



大方は、本当だぞ!


どうだ!?




「そうですか…… 確かに
伊東さんがそのように、藤堂さんを
誘ったことは、見えました」



見えた……?



「藤堂さんは、ここより
あちらの方が、楽しそうでしたね」


「そう?こっちもなかなかだよ」


「……わかりやすい」


「へ?」


「藤堂さん」

「……」


「恋仲なら引き裂いても
俺のものにならないことくらい
ちゃんとわかってます
でも、隙あらば……頂きます
……ずっと、彼女に会う為に生きてきた
藤堂さんよりも彼女を思っています」



宣戦布告



加納の真っ直ぐさ










彩華に対する気持ちが



加納に負けてるようで、悔しかった