ザワザワと風で木の揺れる音





苦手なハズのこの音に目が覚め




ギュッ



え?




私の左手を沖田さんが握ってくれていた



「大丈夫だよ
怖かったら、灯りつけようか?」


「大丈夫です
でも… 手、このままでいいですか?」


「うん」


「沖田さん ありがとうございます」


「なぁに? そんなに怖かったの?クスクス」


「べっ 別に怖くなんかないです!」


「そう? 風の音、嫌いでしょ?」


「…」    気づいてたんだ…


「そういえば!試衛館でさ
一が入ってどれくらいかなぁ
平助と僕がね
クスクス 喧嘩したんだ」


「え!」



風の音よりも、その話に意識が移った



「僕は、人見知りっていうか
無口な一が苦手で
だから…信用出来ないって言ったんだ
そしたら、一、何て言ったと思う?」


「えー?わからない」


「『だろうな』だよ!クスッ」


「あはっ そっくり!」


「素直で良い子だなって
笑いそうになったところを
平助が『一は、俺の幼なじみだ!
傷つけたら許さない!』って…
僕、ムキになって『信用出来ない!』って
また言ったんだ」


「うんうん」