炊事場でぼーっと考えていると


「大丈夫かい?」


山南が彩華を心配して

様子を見に来たのだ


「ごめんなさい
余計なことしちゃって…」



「気をつかわせたね」



「いえ 私ったら甘えてしまって
ここにおいて貰っているんだから
やはり、部屋は贅沢だわ!
私…   」



山南が悲しむ表情に

ハッ とした



「山南さん!明里、元気ですか?」


「え?ああ 元気だよ
それが取り柄のような子だからね」


「ふふっ わかります!
明里と話すと、悩んでるのが
おかしくなるもの!」


「そうだね
僕の心の拠り所だよ
…ここには、居場所がなくなったよ」


「山南さんは、ここに必要な方よ!」


「ありがとう
彩華、君も必要だよ!
我慢なんてしなくていいよ
無理に笑って、苦しみを閉じ込めちゃダメ
遠慮せず何でもいいなさい」




山南は、彩華が無理していることに
気がついていた

でも、彩華は言えなかった





その夜から、炊事場で寝起きを始めた