彩華は、屯所から出なくなった

沖田が壬生寺に誘っても

一が一緒についていくと言っても


門の外に出るのは、掃除の時だけ



「新選組の蒼井彩華は、あんたかい?」


「え… はい そうです」


「江戸から文だよ」


「文???」




尚忠からの文だった




『我が妹 彩華へ

元気にしているだろうか

出会って間もない妹を想い

寂しくなったので筆をとった

怖い夢などみていないかと父母が心配する

あまりにも心配するので

夕方、近所の神社に3人で

お祈りをしている

徐々に効果がでるはずだ

江戸と京では、離れている

御守りもあればさらに効果を期待できる

夕方、江戸の方に祈れ

離れていようとも、家族である

            永井尚忠』





〝文の中でも威張ってる…〟


呆れつつ、文に包まれていた御守りを

眺める



〝兄上…〟




懐にしまい

涙を拭う



〝私が笑ってないと!!〟