翌日



彩華は、土方に教えて貰った処へ



「君菊」


「姉はん!お久しぶりどすな!」


「君菊 姉はんは、やめて!
私ね、本当の名前も彩華なの!
彩華って、呼んで!」


「彩華どすか?」


「そう 呼び捨てで良いからね!」


「なんや 言葉が違うとおかしいもんや」


「生まれは、江戸だから…あはっ
あっ!おめでとう!!君菊!!」


「おおきに!せやけど…
夫婦には、なられしまへん
さみしおすなぁ」


「どうして?とっても仲良しなのに」


「副長やから、夫婦にはなられへんて
家族のようで、そうでない
おかしなもんですやろ?」



「どうして…皆、新選組が大事なのかな…」



「男はんのことは、難しいおす
元気な子を産むことだけ考えてます」


「そうだね!体を大事にしないとね!」







君菊のお腹を触ると

元気な子の命を感じた








その夜








彩華は、廊下には出ず

部屋で、泣いた







亡くした子を思い


襲われたことを
永井の家族には、言えたのに
誰にも打ち明けられないでいる






今も、恐怖と悲しみの中で苦しんでいた