【彩華】



私が連れてこられたのは


徳川慶喜様の処


「高熱が続き下がらぬ
かなり弱っておいでだが
今回の指揮をされ、無理を重ねた
其方の力で、治してほしい」




「どうして、力のこと知ってるの?」



「蒼井の名を持つものは、徳川家の為に
その力を与えられた
知っていて当然だろう」





徳川慶喜様は、とても弱っていた

危険ね…




私は、体から魂を半分採ろうとした


あれ?


ない?





「どうした?」



「あの… 力… 使ってるかも…」


「役立たずが… 己の全魂を使ってでも
助けろ!!」



「無理を言うな… 
すまぬな… 大丈夫…
治してみせるさ…」



とても、つらそうなのに

私を気遣ってくれた



「新選組を大切にしてくださる?」


「ふっ… してるさ
頼りになる奴らよ」


「では、私残りの命を半分あげます!」


「命!! ならぬ!!」




お優しい方にあげるなら

役に立てるなら

私の命も嬉しいはず!!!



「おお!!!すっかり良くなった!!!
あんなに続いた高熱が、嘘のようだ!!」



「喜んで頂けて……よかった…ふぅ」