翌日




一と平助の、意識が戻った


「彩華!!早くこい!!」



永倉様が、私を急かす



2人が療養している部屋の前


私は、深呼吸して心の準備をした





「失礼します」




他人行儀に、失礼のないように振る舞う



「誰?この子」   「なんだ?」



平助も  一も


もう、私のこと忘れちゃった…


「初めまして、蒼井彩華です
お二人の看病と、女中をしております」


「そうなんだ…ありがとう」

「すまんな…」


「では… 私、仕事に戻りますね」





屯所の中でも、男達がこない

炊事場に行くと

声が漏れないように

口を抑えた




2人が生きている


2人を救うには、コレしかなかった




覚悟していたのに



思った以上に、辛い



私が覚えていれば


幼なじみの関係は、消えない


私が、ちゃんと覚えていよう







もう、迎えにこない


3人で暮らすことも


家族になることもない







今だけ、泣こう






泣いて、ここからまた始めよう