ガチャッ
「ただいま」
家の玄関に入るといい匂いがした
リビングに行くと
恭兄が料理してる姿がみえた
「あぁ、美紅おかえり」
恭兄は私に少し目線をあげて慣れた手つきで
ドンドン料理を作り上げていった
「やっぱ恭兄はなんでもできるよね〜」
1人でうんうんと感心していると
「美紅、今日はどうだった?」
恭にぃは料理をしながら横目に私に学校の様子を聞いてきた。
「永遠と陸っていうカッコいい友達ができたよ!」
すると恭にぃが眉間に皺を寄せ、
「永遠、陸?」
と再度聞いてきた。
「うん。そうだけど?どうしたの?」
私は恭にぃの何かを考える顔に疑問を覚えた。
「いや、美紅そいつら「ただいま〜っ恭介、美紅ちゃん♪」
と、お父さんが帰ってくる扉の音と言葉に共に恭にぃが言おうとしていた事が遮られた。
「お父さんおかえり〜!」
お父さんはいつも通り手を洗って着替えに行った。
「恭にぃ、さっき言ってたことって?」
私は気になったので改めて問いただした。
「いや、なんでもない。そのうち分かるよ」
むむ。
なんだこの展開またか、と思いつつ
「えー、気になる」
と口をブーブーしていたが恭にぃは、はいはいと小さい子を相手するかのようにかわされてしまった。
すると着替えから帰ってきたお父さんが
「お、今日も美味しそうなご飯だな〜。いつもありがとうね恭介。」
と恭にぃに感謝するお父さんをみて、私も続いて
「ありがとう恭にぃ!」
とお礼をした。
最初はお礼を言われて照れていた恭にぃだったが、専業主婦(仮)になってもう5年も経つので
慣れたように「どういたしまして〜」
どこから見ても仲の良い家族だと胸を張って言える。
ご飯を食べながら今日あったことを談笑していると、
「親父、今日、美紅が永遠と陸と会って友達になったそうだよ」とお父さんに報告していた。
「永遠、陸?」
恭にぃと同じように考えるのようにしてお父さんは首をかしげた。
すると、思い出したかのように笑顔を見せ、
「あ〜、あいつらか!!」
と嬉しそうな顔を見せた。
「え、お父さんもなに?2人の事知ってるの?」
と訳が分からず聞いてみた
「美紅、まだまだだな。2人に目をつけるのは勘がいいけどもうちょっと人の顔を覚えるように鍛えなきゃな」
うんうん。と恭にぃと首を縦に振ってるお父さん達に意味がわからず
「え、なになに気になるんだけど教えてよ」
「あいつらは俺らの子分だよ」
恭にぃはすまし顔で私の問いに答えた。
え、恭にぃ達の!?
私はビックリしてお父さんの顔をみた
「ってことはお父さんの子分って事にもなるよね?」
お父さんは待ってましたと言わんばかりの顔で
「そうだ!我らが黒龍の子分だな」
お父さんはにっこりとしながら自慢げに言った。
永遠達って黒龍だったのか!
と私は妙にしっくるくる2人を思い出して心の中で頷いた。
っとと、紹介が遅れたんだが
黒龍と言うのは全国No.1を仕切ってる巨大な組織で、私のお父さんはそこのトップで今は引退している。
今は恭にぃがトップになって、忙しいのにも関わらず私たちの専業主婦と名乗りあげてくれて
今の生活がある。
私が言うのもなんだけど、結構自慢。
へへ、
私はというと、
「あれ、美紅、今日は見回り行かなくていいのか?」とお父さんの問いに
「あー今日は疲れたからお休み〜、一応見張りは他にもいるから大丈夫」
と答えると、流石我が娘。と誇らしげに私を褒めた。
私は現在、黒龍の裏で仕切ってる裏のトップで、
黒蘭(こくりん)という組織に属している。
