登校時間が近づいてきたため部屋に戻り、高校の制服に着替える。
白ブラウス、青地に黒チェックのプリーツスカート、ソックスは地味な色、リボンは学年別の指定されたもの。
このように私の通う学校の制服は、控えめながらも可愛い。
...デザインの点では。
問題は、夏が近づいてきて暑っ苦しいというのに、衣替えが始まっていない。それだけの理由で長袖ブラウスを着なくてはならない事だ。
熱中症になったらシャレにならない。
ブラウスの袖を捲りながら、たいして中身のない鞄をもつ。
教科書の類は学校に置き勉してるため問題なっしんぐだ。
スカートのポケットに女の子の必需品であるティッシュとハンカチをねじ込み、いつも羽織ってる青と白のストライプ柄でセーラー襟のパーカーをひっつかみ、自分で言うのもなんだけど、慌ただしく部屋を飛び出した。
どんなに暑かろうとこのパーカーは薄手だし、お気に入りだからいいの!と誰にともなく頭の中で、言い訳をしながらも足を進める。
靴下で滑らないよう、少し気をつけて廊下を走り、玄関の段差に腰掛け、ストーン等で飾ってあるローファーを踵を潰さぬように履いてゆく。