…だからか、
「歩かーえーろ!!!!」
その日だけは、アイツに笑って返事出来たんだ
「おうっ!!!!」
きっとそれが、アイツと俺が笑っていた
最後の会話
少し曇り空な中、俺は久しぶりに穏やかな気持ちでアイツと歩ていた
俺は足元の石を蹴りながら、ご機嫌だった
頭の中では、成績表を見た親がどんな顔をするだろうと考えていたんだ
「歩機嫌いいね、夏休みだから?」
アイツがランドセルを揺らしながら尋ねる
「まーなっ」
石を一段と遠くに飛ばしながら俺はアイツを見た
長くはないけどサラサラな髪
帽子に埋もれてしまいそうなほどの小さな顔
ランドセルに支えられているんじゃないかって思うくらい華奢な体
「………………」
比較されるのが嫌で、いつしかアイツを正面から見るのを避けていた
だから、こうしてちゃんと向き合うのは、すごく久々な感じがする
なんだか胸の奥がくすぐったいけど
「………いいもんだな」
こんな、気分も
2人で肩を並べながら、歩いた


