学生最後の夏の終わり。
夕暮れに染まる町並みの中。

周りは彼女を連れてその祭りに来ていた。
彼だけが彼女を連れていなかった。

「よっしゃ!今日は盛り上がろ~!」

友達のその声で周りのテンションも上がる。
大人数で会場内を周る。
焼鳥や、焼きそばが並べられている
少し暗めの中に明るく並ぶ屋台

「これたべようかな~?」
「半分こしようよ!」

まるで音楽を奏でるように
幸せそうな会話
夜空に輝く星のように
並ぶ屋台の数々

「おい!楽しんでるか?」

ニヤニヤしながら彼に聞いてくる友達に
嫌みなのかと考えるくらいだ

「お前も恋人作ればいいのにな~」

そう言い残すと友達は別の友達と話し出した

私だって恋人はほしい。
でも、ただ本気で好きと言える人に
出会っていないだけなのかもしれない