「っ――!」

突然、グッと顔をしかめた奏弥。

心なしか、所々顔が紅い気がする。

…一体、どうしたの?

あたしはそっと、奏弥の顔を覗いた。


「奏…弥?」

「っ…うるせェよ…」

そう呟いた奏弥は、自分の腕で顔を隠すと、あたしから瞳を逸らしてしまった。


そんな奏弥を見て、あたしは小さく微笑んだ。



奏弥は、昔からこうだ。

何時もは、クールでカッコ良くて、あたしなんかが隣に居ていいのか、考えてしまう程の天才的イケメン。

でも、付き合い始めて知ったのが、実はかなり不器用で、照れ屋だってこと。


意地悪でちょっとエッチで。

でも、その余裕そうな微笑に、あたしは心を奪われてしまったんだ――。

そして、改めて知ったそんな素顔も、あたしを虜にするの…。



「咲姫……」


そう、耳元で囁かれて。

甘い痺れに、あたしはカラダを、

…ココロを震わせる。



「覚悟…出来てんだろうな?」


heartに伝わる、その囁きを


「声、出すなよ?」


heartを溶かす、その言葉を



「俺、抑えらんねェから…」



もっと、

あたしにください――…。