「奏弥(ソウヤ)…っ」


「ごめん、咲姫(サキ)…


俺…もう、抑えらんねェよ」



今、この状況…

あたしはベットに押し倒されてて。

奏弥は、あたしの上に覆いかぶさっている…。



奏弥の、少し苦しそうな表情。

熱を帯びて、潤んだ瞳。



…奏弥は美形だ。

あたしなんかよりも、数倍綺麗だと思う。

肌は白く透き通っていて、

瞳は茶色くて、吸い込まれる程の目力がある。

通った鼻筋、薄い唇。

本当にカッコイイ。


そんな奏弥に見詰められて、

あたしは、酷く緊張する。

恥ずかしくて、苦しくて、
嬉しくて…――。



「顔、真っ赤だけど」

ちょっと意地悪な、何時もの微笑を、奏弥はあたしに向ける。


奏弥は…狡いよ――。


何も言えずに、あたしは困ったように奏弥を見詰めた。