「なぁ、あさ。」

教室につくと、あやが駆け寄ってきて、真剣なかおで私をみた。

えっと……

あやがこんな顔すんの珍しい。

とにかく話を聞こう。

私は机にかばんをおいて、あやと並んで座る。

「どうしたの?あや。」

私が声をかけると、あやはうつむいた。

深刻、なことなのかな。

「私、…………」

みるみるうちにあやの顔が青ざめていく。

ザワザワとした教室のなか、あやはポツリと呟いた。

「いじ、められてるかも。」

……。

え?

あやが?

私はあやの肩をゆすって、

「だれに!?」

と、問いかけた。

あやはフルフルと小さく首をふって、

「それがわかんないんだよ」

と言った。

そんな……。

あやをいじめるこがいるの?

こんないい子を?

そんなのありえないよ……。

「あや、なにがあったの?なにされたの?」

私か聞くと、

「靴箱に、変な手紙はいってたんだ。石原翔(イシハラ カケル)に近づくな、調子のんな、って……」

と言った。

あやはスカートの裾をぎゅっとにぎった。

かけるは、私の幼なじみで、中学校にはいると、あやと私とかけるで仲良しになった。

「なんで、かける?」

「……っ、あの、……。」

あやは言いにくそうに口をモゴモゴさせた。

「告白、されて、かけるに。」

……え?

え……っ。

まって、

かけるがあやをすき?

びっくり、とともにショックが襲った。

でも、それはつまり、前のことで、

あやは、私に相談してくれなかったってこと?

私はあやに向き合って話す。

「あやは、私が頼りない?」

あやは大きく首をふる。

「言ってくれてもいいのに…。」

「あ、ちがう!」

あやはカタンっと立ち上がる。

びっくりして、あやをみると、

「あさが!……かけるのこと好きだと、思ってたから、言えなかった……!」

とあやは言った。

……?

……ふぇ?

かける?

はぁ、かけるだよ!?

あいつなんか、、、

「ぷっ!あははっなにそれ!あたしがあんなヤツ好きなわけないじゃん!」

あやってば、優しすぎ。

あーへんなのー。

あやは、照れたように笑みを浮かべて、座る。

「で、でね、かけるが私に告白したとこ、……言いにくいんだけど、亜子に見られてさあ、多分それでなんだよね。」

淡々とあやはしゃべる。

だんだん、いつものあやに、もどってきたかも。

よかった。

……で。

また亜子ちゃんかぁ。

なに、しでかすかわかんないな。