「あ、ねぇ、あさかちゃんだよねえ？」

昼休みがおわり、

移動教室のとき、ある女の子に話しかけられた。

誰だろう。

くるりと振り返ると、あの子がいた。

……早川 亜子ちゃんだ。

か、かわいい。

うん。

亜子ちゃんはニコッと笑って私の手を握ってきた。

「亜子ね、あさかちゃんとお友達になる〜」

そう言って、可愛らしく微笑む亜子ちゃん。

その笑みは、天使そのもので。

友達、？

えっと……？

「あ、うん。」

わたしが戸惑っていると、

「亜子さ、あさかちゃんに憧れてたの。」

キラキラとした瞳を私に向けて言う。

は、はぁ……？

なに、このこ。

「だから、亜子とあさかちゃんは友達！やったあ〜」

「いや、おかしい……」

「じゃーねっ！…………しゅうたく〜ん」

私の話も聞かず、亜子ちゃんはかけていく。

しかも、男の子のとこへ。

なんだったの……。

それを見ていた、あやははぁっとため息をはいていた。

「あささぁ、なんかしらんけど春山くんと仲いいでしょう？」

あやは、顔をしかめてそう言う。

仲いい？

そこまではいかないかな。

「まぁ、喋った事はあるよ？」

私が言うと、

「多分なんだけど、亜子ちゃん、好きな人と仲いい女子は徹底的に近づけないようにするらしいからさー」

と、アヤは言う。

え……。

なに、それ。

こわ！

「嘘でしょ〜。そんなの噂だよ！」

そうそう、そんな子なんていないよ。

「ちょっと、あさ、ほんとなんだってば。」

あやがめずらしく、顔をしかめる。

「例を出せば、結愛。結愛さ、一つ上の人と付き合ってたじゃん？」

ゆあちゃん。

カワイイ子。

で、一つ上のサッカー部のキャプテンと付き合ってた。

「で、亜子ちゃんが結愛の彼氏を好きになって、奪ったらしーよ？そんで、別れたとか」

……ほんとなのかなあ。

私にはわからないけど。

「でも、別に大丈夫だよ！」

うん、亜子ちゃん可愛いし、いい子だよ。

そう、思ってた────。