「ぶっは!信じやがった!」

春山はワハハっと歯を見せて笑った。


……は、はい……?

「さ、さいてー!!!」

女の子に嘘告白とか、ホント最低!

春山はいまも腹をかかえてわらってる。

まぁ、こんなに笑ってんの見たとこはじめてだからなあ。

許すか。

とは、いえ!

「嘘告白なんて、ほかの人にはやっちゃダメだよ!」

「はいはい。」

春山はめんどくさそうに返事をして、階段をおりていく。

「あ、待って!」

私も追いかける。

なんとなく、だけど。

ほんとになんとなく。

春山は心を開いてくれてるのかなって、思う。

一緒に教室に戻って、そこからは別世界。

春山は上のグループの人らと一緒にいて。

私はあやといて。

2人っきりのときだけ、。

……うん。

そのときだけ、春山を特別に感じる。

〜〜


放課後。

今日はあやが部活だからひとりで帰らなきゃな。

クラスでさよならをして、教室をでると、

亜子ちゃんとばったり。

亜子ちゃんは私をみて、少し睨むと、そのまま他の男の子のとこへかけていく。

……はあ、いい子だと思ってたんだけどな。

階段を駆け下りて、靴箱で靴を履き替える。

……あれ。

靴箱付近に、違う制服の女の子がたっていた。

確か、高嶺(コウリョウ)学園……の制服。

高嶺学園って、あの、お嬢様学校……。

頭いい子しか入れないやつだ。

ひぇぇ、私には恐れ入ります。

そんなこと思って、その子をみてたら、

その子は顔を上げた。

……きゃ。

なんて、え、美人……。

ぱっちりとした瞳に、長いまつげ。

小さな高い鼻に、小さい顔。

ピンク色のプルプル唇。

パーツそれぞれが綺麗。

切りそろえられた前髪。

髪の毛は胸まで伸びて、ふわふわの緩いカール。

淡いコーヒー色。

スタイルも抜群で色も白い。

これ、

モデルさんじゃ……。

可愛すぎます。

その子は私の視線にきずくと、

ニッコリと笑って会釈した。

わたしもぺこりっと会釈。

わわ、芸能人みたい。

私は靴を履き替えて、その子に話しかけてみる。

「すっごい、綺麗な顔ですね!!」

急に私がそんなことをいうもんだから、

その子ははて?という顔をする。

「目がおっきい、すごい!モデルさんみたいだ〜」

「え、あの、いや、」

「モデルかなにかやって──────ふがっ!

私が言いかけたところで、口を誰かにふさがれる。

「ふぁれ!?(だれ)」

もがもがしてると、

「そんなんしたら相手が困るだろ」

と聞き覚えのある声がした。

はるや……

「太陽!」

そんな私の声をさえぎったのは、

目の前にいるあの子だった。

……へ?